はむすた母娘、空元気も元気!

末っ子女子大生とその母が、2人3脚でブログしてます。

アートスペースエリコーナ (福島県いわき市平)  若松先生のこと

 

アートスペースエリコーナは

楽家の若松紀志子先生が、

ご主人で画家の若松光一郎先生の作品を展示するために

作られたスペースです。

現在は、お二人のお嬢様の中川素直先生が、主宰しておられます。

 

 

elicona.com

 

2月28日に私は初めて伺ったのですが

素直先生と1時間近くもお話させていただくことができました。

 

 

 

素直先生がおっしゃるには、

人に貸していた「50メートルダッシュができるぐらい、細長い敷地」が返ってきて

紀志子先生がこのスペースを思いつかれたそうです。

入り口から光一郎先生の作品を展示するギャラリースペースがあって

奥に100人ほど入れるコンサートスペースがある

お二人の芸術性にあふれた空間になっています。

 

 

明るいギャラリーに光一郎先生の作品が、大小さまざまに

リズムよく飾られていました。

他の方の企画展をすることも多いそうです。

今回、光一郎先生の作品を拝見できて、私にとってはとても幸運でした。

 

 

コンサートがあるときは、

ギャラリースペースにお茶とお菓子を用意して

休憩時間を長めにとって、絵画も楽しんでいただくように

企画をされているとうかがいました。

緊張と緩和がいい具合にある時間を、演出されているのですね。

 

この日は、コンサートがないにも関わらず、

ご主人の中川英明さんが わざわざ扉を開けて

ホールを見せてくださいました。

いい音が響く感じの、高い天井が素敵なホールです。

 

 

 

2003年の開館以来、

今までに紀志子先生の門下生が何度もコンサートを開催しています。

小林研一郎さん(指揮者)がお嬢様と一緒に演奏されたり

山名敏行さん(和歌山大教授)が演奏をされたりしています。

素直先生ご自身もレッスンをされたり、舞台に立つことがあるそうです。

最近では室内楽のコンサートもされていると伺いました。

 

ピアノ教室の発表会に貸し出された記録もありました。

個人教室の発表会には少し贅沢な、ちょうど良い大きさのホールです。

 

 

ホールの舞台下に、今は光一郎先生の作品を管理されていると伺いました。

このスペースができるまでは、

ご自宅で紀志子先生が管理されていたそうです。

ピアノのレッスン室に飾られていた作品以外にも、

作品があったとのことで、驚きました。

1000点以上あったといいますから、

光一郎先生は多作な方だったのだと思います。

 

1970年代半ばごろ、

光一郎先生は墨絵のような色合いで、大胆な構図の作品を描かれていました。

今回拝見した作品は、とてもカラフルなのでお尋ねしてみると

晩年はカラフルな明るい色合いの作品が多かったことを教えてくださいました。

 

 

今度、都内の銀座線・京橋駅近くのスペースで

光一郎先生の展示会が行われます。

 

2018年3月20日から4月6日まで

中央区京橋3-3-2 

加島美術

www.kashima-arts.co.jp

 

初日には、エリコーナで室内楽のアンサンブルを演奏した中西哲人さんの

チェロのミニリサイタルが開催されます。

申し込みが必要なので、お聞きになりたい方は確認してください。

 

 

1995年に光一郎先生がなくなった後も、

精力的に活動されていた紀志子先生は

震災の後、神奈川県相模原市に避難されていたそうです。

90歳ごろまでされていたテニスは、

そのころにはコートに立つこともなくなり

なれない土地で、お疲れも出たのでしょうか。

お元気な時には、人が集まるのがお好きだった先生が

あまり人にお会いにならなくなったとお聞きしました。

 (このお話は素直先生が、お見舞いできなかった私を

  気遣ってくださってのことかもしれません。)

紀志子先生は、震災の翌年の2012年4月に亡くなられました。

 

アートスペースエリコーナは、

高い天井の照明に破損があったものの、幸い建物に被害はなく

出入り口のガラスも無事だったそうです。

「周りがゆがむのが怖かった。その後の余震が大きかったので心配」と

素直先生が話しておられました。

向かい側に立つお宅の壁に残る亀裂の補修跡が、

この地域の震災のすごさを感じさせました。

 

 

私自身は、紀志子先生音楽生活40年アザミ会創立30周年記行事のころに

末席に記載していただいた門下生です。

 

素直先生にも、ソルフェージュをご指導いただきましたが

聴音も採譜も、グループレッスンの中で一番下手でした。

 

 

 

思いだせる、エピソードを少し。

 

厳しいことで有名な紀志子先生も、お孫さんには弱かったようで

素直先生がお子さんをお産みになった時のことを、私はよく覚えています。

ちょうどその時、私はレッスン中だったのです。

連絡を受けた紀志子先生は

「ちょっと、行ってくるわね。」

と、私をピアノの前に残したまま 病院へ駆けつけられたのでした。

素直先生にそのお話をすると、

「まあ、そうだったの。」

と、笑っておられました。

英明さんが

「あの厳しかったころの生徒さんなら、何があっても大丈夫。」と

思わず口にされました。

確かに、私にとって紀志子先生の門下生であったことは

わずかなプライドを支える一つです。

 

 

 

私たち門下生にとって、紀志子先生は「まさに貴婦人」でした。

レッスンに伺うと、お手伝いさんがいつも忙しそうにしていました。

レッスン室には、先生のお名前が入ったテニス大会優勝の賞状が

シーズンごとに増えていました。

2台あるグランドピアノの右側で、揺り椅子に座ってレッスンされる先生は

いつでもほっそりとスタイルよく、毅然としておられました。

先生が揺り椅子からさっと立ち上がるとき、

私たち生徒は「発表会でミスをしたような緊張感」に襲われました。

 

 

中学生が集まる素直先生のソルフェージュ・レッスンのある日の事、

ふっと外を見たひとりが突然、

「紀志子先生が、お洗濯ものを干してる!」

と、叫びました。

メンバー全員が、声を失って見つめていると

「なあに?」

と、紀志子先生がこちらを向いて驚く私たちに声をかけられました。

「洗濯物を干しているのが、珍しいんだって。」

と、素直先生が言うと

お二人で楽し気に声を上げて笑われました。

先生が家事をされることにショックを受けた私たちは、

声を上げて笑う紀志子先生にも驚いて目を丸くしました。

メンバーの一人が、

「先生は貴婦人でいらっしゃるから・・・」

と言いよどむのを、みんなでうなずいたことを覚えています。

 

 

 

 

「時間があるときに、読んでくださいね。」

と、素直先生にご本をいただきました。

紀志子先生が書かれたエッセイです。

御本の中の、紀志子先生の笑顔のお写真に

思わず背筋が伸びて、私は一人、泣き笑いしてしましました。

 

 

 

 

 

 

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